オフィスに会議室や応接室をつくる際、「できるだけ会話が外に聞こえないようにしたい」「Web会議の声が周囲に漏れるのを防ぎたい」といったご相談をいただくことがあります。
パーテーションを設置することで空間を仕切ることはできますが、パーテーションを設置すれば完全に防音できるというわけではありません。
音漏れをできるだけ抑えるためには、パネルの種類だけでなく、天井までの納まりやドア、ガラスなども含めて考えることが大切です。
今回は、オフィスのパーテーション工事で防音性を高めるために知っておきたいポイントをご紹介します。
そもそも「防音」と「遮音」の違いとは?
「防音」と「遮音」は同じ意味として使われることもありますが、厳密には少し意味が異なります。
防音とは、外部への音漏れや外部から入ってくる音を防ぐための対策全般を指します。
一方、遮音は壁やパネルなどによって、音が反対側へ伝わることを抑えることです。
パーテーション工事では「完全に音を聞こえなくする」というよりも、使用するパネルや施工方法を工夫して、できるだけ音が伝わりにくい空間をつくるという考え方が重要になります。
① 天井までしっかり間仕切る
音漏れ対策で特に重要なのが、パーテーション上部の納まりです。
例えば、パーテーションの高さを2,100mm程度にして、その上を開けた「ランマオープン」の仕様では、開口部分から音が伝わりやすくなります。
会議室などで音漏れをできるだけ抑えたい場合は、床から天井までパーテーションで仕切ることがポイントです。
見た目が同じような会議室でも、天井まで塞がれているかどうかによって音の伝わり方は変わります。
② 遮音性を考えたパネルを選ぶ
パーテーションにはさまざまな種類があり、パネルの構造や厚みによって遮音性能が異なります。
一般的なオフィスの間仕切りであれば通常仕様のパネルでも対応できますが、役員室や重要な会議を行う会議室など、より高い遮音性が求められる場合には、遮音性能を考慮したパネルを選ぶ方法があります。
ただし、パネルだけ高性能なものに変更しても、ドアや天井まわりに音が抜ける部分があれば、十分な効果を発揮できない場合があります。
そのため、防音性を高めたい場合はパネル単体ではなく、空間全体で考えることが大切です。
③ ドアからの音漏れにも注意
意外と見落とされやすいのがドアです。
パーテーション部分の遮音性を高めても、ドアと枠の隙間などから音が漏れることがあります。
特に人の出入りが多い会議室では、使い勝手だけでなく、ドア部分の遮音性も含めて仕様を検討することが重要です。
音漏れをできるだけ抑えたい場合は、遮音性に配慮したドアを採用するなど、部屋の用途に応じた仕様を検討しましょう。
④ ガラスの使用範囲を考える
開放感のあるオフィスをつくるために、ガラスパーテーションを採用するケースも増えています。
一方で、防音性を優先する場合は、使用するガラスの種類や厚み、構成についても確認が必要です。
例えば、ガラスを使用した会議室でも、仕様によって遮音性能は異なります。
「ガラスの開放感も欲しいけれど、音漏れも抑えたい」という場合は、デザインだけで決めず、必要な遮音性能とのバランスを考えて仕様を選ぶことがポイントです。
⑤ パーテーション以外から伝わる音もある
音はパーテーションだけを通って伝わるわけではありません。
天井裏や床、空調設備、換気口などを経由して、隣の部屋へ音が伝わる場合もあります。
特に天井までパーテーションを施工する場合でも、天井裏が隣室とつながっていれば、そこから音が回り込むことがあります。
そのため、高い防音性が必要な場合は、パーテーションだけではなく建物全体の構造を確認したうえで対策を検討する必要があります。
用途に合わせた音漏れ対策を
必要な防音・遮音性能は、部屋の用途によって異なります。
通常の打ち合わせを行うミーティングスペースと、機密情報を扱う会議室では、求められる性能は同じではありません。
また、Web会議が多い部屋、役員室、応接室など、それぞれの使用目的によって適したパーテーションの仕様も変わります。
必要以上に高い遮音性能を求めると費用が大きくなる場合もあるため、「どの程度の音漏れを抑えたいのか」を事前に整理しておくことも大切です。
まとめ|防音性はパーテーションだけでなく空間全体で考える
オフィスの音漏れ対策では、パーテーションの種類だけでなく、天井までの納まり・パネル・ドア・ガラス・建物の構造などを総合的に考えることが重要です。
特に防音性を重視する会議室や応接室では、設置場所の状況によって適した仕様が変わります。
「会議室の声が外に漏れるのをできるだけ抑えたい」「どのパーテーションを選べばいいか分からない」といった場合は、用途や設置場所を確認したうえで仕様を検討することをおすすめします。
パーテーションの新設やオフィスの音漏れ対策をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
